切断された手足などがまだあると感じ、それに強い痛みまでも感じる幻肢、
自分の体の一部を他人のものだと主張する自己身体否認、
親など近親者を本人だと認めず偽者だと主張するカプグラ・シンドローム...
カリフォルニア大学脳認知センター教授・所長のV・S・ラマチャンドラン博士が、
臨床で遭遇した神経疾患患者の奇妙な症状を紹介し、
その症状を手掛かりに、独創的な実験を通じて、
人間の脳の仕組みや働きを解き明かしていくとても面白い本です。
現在の脳ブームの先駆けとなった本とも言われています。
特殊な事例や特異な事例は、例外だと言って切り捨てるのではなく、
それらをつぶさに観て調べていくことで本質を解明する鍵が
見つかるはずだといったラマチャンドラン博士の研究姿勢、
独創的なアイディアの数々は、物事に対する新たな視点を私達に与えてくれるはずです。
原著:
V. S. Ramachandran
William Morrow Paperbacks
1999-08-18