妻を帽子とまちがえた男

 

妻の頭を帽子だとまちがえてかぶろうとする音楽家、顔の半分しか化粧をしない教養ある老婦人、ベッドの中に死人の足があると恐怖してその足をベッドから放り出すと自分までベッドから放り出されてしまった男性など、脳神経外科医のオリヴァーサックス先生が出会った奇妙でふしぎな症状を抱える24人の患者たちに関するエッセイ集です。

脳神経科学の書籍を読んでいると、脳の障害の症例研究を通じて得られた脳神経機能についての知識には詳しくなりますが、そのような障害にもかかわらず人間として精一杯生きていく人達について思いを馳せるのを忘れがちになります。

サックス博士の愛情あふれる視点で患者たちの豊かな世界を描きあげた本著は、科学信奉で忘れてしまっている大切なものを思い出させてくれるでしょう。

原著:

Man Who Mistook His Wife for a Hat
Oliver W. Sacks
Picador USA
2011-09-01

 

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